Faylay~しあわせの魔法
リディルの周りを、さあっと白い霧が覆った。霧は流れるように辺りに広がっていき、ドラゴンの溶かした岩壁をあっという間に凍らせる。
上昇していた気温は一気に下がり、ドラゴンの吐き出すマグマの息さえも瞬時に凍りつかせた。
「なんだ……?」
フェイレイは思わず足を止めていた。伝わってくる力が、圧倒的過ぎる。
完全に凍りついた地面の上に立つリディルの顔は静かだったが、その背後から、大きな気配がやってきた。
ふわり、と白い霧が動き、リディルを包み込むようにその姿を現す。
坑道の天井にも届きそうな大きなの、白い衣を纏った、薄い青の瞳を持った精霊が。
「アランの……女王!?」
フェイレイと同じく、ヴァンガードも驚きの声を上げていた。
長いドレスの裾を引き摺りながら現れた氷の女王が歩くたび、岩盤を覆う氷の強度は増していく。
女王はリディルに視線をやり、青白い唇を開いた。
《わらわを招く代償、その身に被い切れるのか、人の子よ》
言葉を紡ぐたびにキラキラと光る結晶が、その唇から飛び出した。
「……みんなを助けるためだよ」
女王は氷のような冷たい瞳でリディルを見たが、その視線をゆっくりとドラゴンへと向けた。
白い指がスッと挙がると、ドラゴンの身体はみるみる凍り付いていった。
上昇していた気温は一気に下がり、ドラゴンの吐き出すマグマの息さえも瞬時に凍りつかせた。
「なんだ……?」
フェイレイは思わず足を止めていた。伝わってくる力が、圧倒的過ぎる。
完全に凍りついた地面の上に立つリディルの顔は静かだったが、その背後から、大きな気配がやってきた。
ふわり、と白い霧が動き、リディルを包み込むようにその姿を現す。
坑道の天井にも届きそうな大きなの、白い衣を纏った、薄い青の瞳を持った精霊が。
「アランの……女王!?」
フェイレイと同じく、ヴァンガードも驚きの声を上げていた。
長いドレスの裾を引き摺りながら現れた氷の女王が歩くたび、岩盤を覆う氷の強度は増していく。
女王はリディルに視線をやり、青白い唇を開いた。
《わらわを招く代償、その身に被い切れるのか、人の子よ》
言葉を紡ぐたびにキラキラと光る結晶が、その唇から飛び出した。
「……みんなを助けるためだよ」
女王は氷のような冷たい瞳でリディルを見たが、その視線をゆっくりとドラゴンへと向けた。
白い指がスッと挙がると、ドラゴンの身体はみるみる凍り付いていった。