白衣を脱いでキス。
今日は虫歯を削られちゃうのかな。
「予約したのは先生じゃないですか」
口を開けるよう促されて、開けると先生がライトをあてて、虫歯の様子を診ている。
「まぁ、そうだけど。ちょっと強引だったかな、って思って」
いったん口ゆすいで、と言われて、左側にある紙コップに水を取り口をゆすいだ。
強引…。
あれって強引っていうのかな。
無理矢理じゃないんだから強引とは違う気がするけど。
「…先生、削るんですか?」
「んー、築山さんが平気そうなら早いに越したことないしね」
そうだよね。
ほっておいていいはずがないもんね。
でもでも…!
「…怖い?」
コクコクと頷くと先生が声をあげて笑った。
「はは、築山さん可愛い」
一瞬で怖いという感情が飛んでしまった。