白衣を脱いでキス。
先生の目や声が、あたしの気持ちなんてわかってるとでも言うように感じる。
…先生は大人だし、そりゃぁあたしの気持ちなんてお見通しなのかもしれない。
友達にも顔に出やすいって言われるし。
「…わからない、です」
簡単ってなに?
「んー…。じゃぁもっと単純に、素直に、思ってること言ってみて」
先生とあたしの顔の位置が近い。
近いなんてもんじゃない。
近すぎる。
単純に。
素直に。
そんなの…。
「……好き」
結局、心の中にあったものを整理して、残ったのはたった2文字の言葉。
でもあたしに言わせれば簡単に言える言葉じゃない。
すごく勇気がいった。
「よくできました」
先生の腕に抱き寄せられて。
ただでさえ近かった距離が、これ以上ないくらいに近づいた。