白衣を脱いでキス。
たった2文字でいいから。
「わかりません。先生と違ってこどもだから言葉がないとわからないです」
先生の耳が赤く染まる。
なんか照れてるみたいで…可愛い。
「本当、小悪魔」
ぼそっと呟いた先生は素早くあたしとの距離を詰めてきて。
気づいたら、ぎゅぅっと抱きしめられてた。
「……理子ちゃんが好きだよ」
耳元で囁かれた言葉はたった2文字なのに、あまりに甘い言葉で。
止まったはずのあたしの涙腺はいとも簡単に崩壊した。
「ふぇ…っほんと、ですか…?」
涙が先生の白衣を濡らしてくのがわかったけど、止められないから仕方ない。
99%の嬉しさと、1%の疑いが混ざった涙を先生の白衣が吸い取ってくれる。
「嘘言ってどうするの。んでもって泣き止みなさいって」
宥めるようにあたしの背中を先生の手が撫でる。
「っだって…先生みたいな大人が……あたしみたいなこどもなんて…」
それまで抱きしめてくれていた先生のカラダが離れた。
そして、腰を屈めた先生があたしの涙でぐちゃぐちゃになった顔を覗きこんでくる。
「こどもじゃないよ。十分、魅力的だと思うよ」
なおも溢れる涙を先生が親指で拭ってくれた。