白衣を脱いでキス。
うぅ…。
なんでいきなりこんな声を出すの。
逆らえない。
有無を言わさない声。
「まだ泣くの?」
仕方なく従って顔を上げると誠さんが笑っていた。
「だって……夢みたいで…」
そう、こんなのまるで夢みたい。
本当に誠さんと恋人になれるなんて。
「いたっ」
頬を摘まれた。
弱く痛みが走る程度に。
「夢じゃなかっただろ?」
誠さんは摘んだ頬を優しく撫でる。
うん。
…夢みたいだけど、夢じゃない。
これはちゃんとした現実。
「はい。…誠さん、大好きです」
現実ということに感極まって思わず言ってしまった。