アンガー・グラッチ・ヘイトレッド
堂本は止めてみろと言っていた。わざと俺達を逃がしてくれたんだろうか?
詩織ちゃんは振り返って俺達に叫んだ。
「人が多い所に移動するきだわ!早く追いかけるわよ!」
彼女はいてもたってもいられないと俺達を促した。
おそらく、いや間違いなく次が堂本を助け出せる最後のチャンスだろう。
俺も詩織ちゃんも闇雲もそれぞれが別々の思いを胸にけれども目的は同じで──クロちゃんを追った。
俺達のこの戦いもいよいよ大詰めの所まで迫っているんだ。そう思っていた。

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