DesTroMentaL ParaSity ―デストロメンタル パラシティ―

「そんなの、卑怯だわ」


目の前で頼りなげに揺れ
る携帯を眺めるうちに、
否応なく自身の無力さを
痛感させられた少女は、
俯きながら実に弱々しい
声でぽつりと呟いた。


「悪ぃな、今むざむざと
嬢ちゃんを手放すわけに
はいかねぇんだよ」

「なによ……悪いなんて
これっぽっちも思ってな
いくせに!!」


尚もいけしゃあしゃあと
言ってのける男に、少女
は瞳を潤ませつつ悔しそ
うに拳を握り締めた。

そして、いよいよ手の平
に爪が食い込んでくると
少女は負けじと涙を拭い
男を精一杯睨みつけた。


「だけど、あそこには私
達家族と守衛さんしか住
んでいないもの、すぐに
気が付くわ!!そうしたら
家の誰かがきっと助けに
来てくれるはずよ!!」


先程までとは一変した強
気な態度に、男は僅かな
がらも面食らっていた。


「――ははっ、威勢が良
いのは結構だが果たして
そううまくいくかな?」


しかしながら、男はすぐ
に落ち着きを取り戻すと
いかにも挑発的且つ意味
深な台詞を残していく。
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