DesTroMentaL ParaSity ―デストロメンタル パラシティ―

その言葉を受けて、明ら
かに不快感を示す少女を
よそに男は再び話を進め
るべく口を開いた。


「言っちゃ難だが、ここ
は俺がわざわざアジトに
選んだ場所だ。そう簡単
に分かるもんか」

「そんな事ない、きっと
見つけ出してくれる!!」


取り分けて確証がないも
のの、少女は一点の曇り
のない目で真っ正面に男
を見据えた。




     ***




ガラス越しに僅かに映る
紫陽花がようやく色付い
てきた頃、男は古ぼけた
テーブルに頬杖をつきな
がら向かいに座る少女を
したり顔で眺めていた。


「今日でひと月経ったが
未だ音沙汰なし……か」

「ほ、ほっといてよ!!」


ところが、一方の少女は
悔しさのあまり顔を背け
たまま非常につっけんど
んな返事をした。


「やろうと思えば金でも
何でも注ぎこんで見つけ
られそうなものを、実の
娘にそれすらもしねぇな
んざクズ同然だろうが」


そう言い放つなり、男は
益々笑みを深め小刻みに
肩を震わせ始めた。

すると、少女は勢い良く
椅子から立ち上がりツカ
ツカと男へ歩み寄った。




パァーーーーーーーンッ




「――いい加減にして!!
これ以上家族をバカにす
るのは許さないから!!」


突如として華奢な体から
放たれた凄まじい怒声と
酷く乾いた音は、一瞬の
うちに静寂だった部屋を
混沌へと導いていった。
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