DesTroMentaL ParaSity
―デストロメンタル パラシティ―
僅か10歳足らずの少女に
殴られたのがよほど頭に
きたのか、男は容赦なく
相手の胸ぐらを掴んだ。
「てめぇ……今までこっ
ちが優しくしてやったか
らって調子こいてんじゃ
ねえぞ、ああ!?」
「――だったら殺すの?
私が金ヅルなのに?」
それにひきかえ、少女は
尚も男を見つめながら至
って冷静に切り返した。
「……………ちいっ!!」
一方、男はさも憎々しげ
に舌打ちするもののよう
やく少女を解放した。
「このままで済むと思う
なよ、お嬢ちゃん」
そう言って足早に立ち去
る男の背中を、少女は半
ば唖然としながらも黙っ
て見送るほかなかった。
***
『……あら、虫が沢山』
秋の深まりに伴い窓から
殆ど日の光が差さなくな
ってくると、少女は退屈
しのぎに部屋の明かりを
ぼんやりと眺めることが
多くなった。
その日もまた、少女は頬
杖をつきながら何の気な
しに訪問者で賑わう蛍光
灯へと目をやっていた。
「――はは、また今日も
連絡がねぇじゃねぇか!!
やっぱりアイツらは只の
クズ野郎共だったな!!」
「……貴方がこんな変な
所にアジトなんか置くか
らでしょ?パパやママは
何も悪くないわ」
相変わらずいとも簡単に
その場の雰囲気をぶち壊
す男に、少女は興ざめと
ばかりに溜め息を漏らし
ふてぶてしく返答した。