DesTroMentaL ParaSity ―デストロメンタル パラシティ―

すると、男は何の前触れ
もなくからかいの態を崩
し徐に口を開いていく。


「じゃあ、本当にクズか
どうか見に行くか?」

「………………えっ!?」

「ボケっとしてないで、
さっさと用意しろ」


そう言い残すなり、男は
上着を片手にすぐさま扉
の方へと足を進めた。




『これは、外に出してく
れるって意味……よね?
今まで私が何言ったって
“問答無用”でこの部屋
に閉じ込めてきたくせに
どうしていきなり?』




あまりの言動の変わりよ
うに思わず顔をしかめつ
つも、少女は急いで席を
立ち男のあとを追った。


「ああ、そうだ。ついで
にこれも持っていけ」


振り向きざまに発せられ
たのと同時に、いきなり
少女の手の平に黒い塊が
重くのしかかった。


「――けん、じゅう?」

「どうせ、“護身用”に
必要だろうからな」


未だ状況が読み込めずに
呆然と立ち尽くす少女に
対して、男は些か不気味
なほどに口端を上げた。
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