DesTroMentaL ParaSity
―デストロメンタル パラシティ―
「ちょっ……こんな物騒
なもの、持ち歩けるわけ
ないでしょう!?」
その後暫くしてようやく
我に返った少女は、途端
に血相を変えて男に拳銃
を突っ返した。
「いいから、持っとけ」
しかしながら一方の男は
きつく両腕を組んで頑な
に受け取りを拒み続けた
ため、少女は渋々それに
従わざるを得なかった。
***
2人が車に乗り込んでから
数時間すると、それまで
灰色一色だった寂れた街
並みが次第に鮮やかな深
紅へと染まっていった。
『――あっ、彼岸花』
そう理解するなり、少女
は思い切り身を乗り出し
て食い入るように窓の外
を眺め始めた。
『確かに、綺麗は綺麗な
んだけど……ここまで赤
いと少し不気味だわ』
当分の間車を走らせても
尚視界を焼き尽くすかの
如く広がる彼岸花を見る
うちに、少女はある種の
恐怖を覚えたのか無意識
に肩を震わせていた。
「さて、もうすぐ嬢ちゃ
んの家だ。奴らがどれ程
クズか見物だな」
「そんなこと……ない」
それにひきかえ、どこか
楽しげに言葉を紡ぐ男に
少女は鋭い視線を向けな
がらもぽつりと呟いた。