DesTroMentaL ParaSity
―デストロメンタル パラシティ―
このようなやり取りを進
めるうちに、2人を乗せた
車は白亜の屋敷と外界を
厳重に仕切る壮大な鉄製
の門の前に到着した。
するとその直後、初老を
迎えた例の守衛が彼女達
をめがけてどこからとも
なく走り寄ってきた。
「お……お嬢様、よくぞ
よくぞご無事でっ!!」
守衛はそう言うと、嬉し
さのあまり涙を滲ませて
車から降りたばかりの少
女を何度も揺さぶった。
ところがその背後に男を
見つけるや否や、守衛は
一変して激しい憤怒の感
情を瞳に宿していく。
「――――貴様はっ!!」
そうして今にも掴みかか
らんとする様子を目に入
れるなり、少女は守衛の
体を静かに押し返した。
「お、お嬢様?」
「今日はパパ達とお話が
あるみたいなの。お願い
だから通してあげて?」
「……畏まりました」
少女の思わぬ言動に守衛
はふと眉をひそめたが、
別段理由を問うことなく
すぐさま表情を元に戻す
と恭しく頭を下げた。