DesTroMentaL ParaSity ―デストロメンタル パラシティ―

長き廊下を疾走してから
数分も経たないうちに、
少女は巨木が見える窓の
前で突然足を止めた。


『確か、ここから行けば
近道だったはずよね』


そう考えるなり、少女は
窓から身を乗り出して空
へと真っ直ぐに伸びる枝
にゆっくり手をかけた。


「――っと、きゃあ!!」


すると、少女はバランス
を崩して一気に地面まで
転がり落ちていった。




ガサガサガサ、ドスンッ




「痛たたた……えっ!?」


ちょうどその時腰を強く
打ったのか、少女はしか
めっ面をしながら何度も
患部をさすっていた。

そして徐に顔を上げると
にわかに信じ難い光景が
目に飛び込んできた。
< 7 / 32 >

この作品をシェア

pagetop