小春日和


「待って!!」

アタシは急いで野田くんを追いかけた。

「待って野田くん!」

彼の背中に叫ぶと振り返ってくれた。

「知らなかったな~水野さんってそういう趣味だったんだ」
「違っ…」

でも小春ちゃんにキスしようとしたのは嘘じゃない。

「お願い、誰にも言わないで…」

こんなことがバレたら小春ちゃんがもっと傷つく。
もう小春ちゃんが泣いてる顔なんて見たくない。

「お願い…アタシ、何でもするから」

するとその言葉を待っていたかのように野田くんが口を開いた。

「じゃあ、ひとつ頼みたいことがあるんだ」

「なにっ?何でもする!!」

これで小春ちゃんを守れる。
もう何でもするよ…どんなことでも。

「小春先輩と付き合いたいんだ。協力してくれたらコレ消してあげる」

「…えっ」

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