小春日和

「でも、日和…野田くんのこと好きなんでしょ?」

「アタシは…好きじゃないよ」

これで小春ちゃんが幸せになれるならそれでいい。
小春ちゃんが笑顔でいられるならそれでいい。

アタシは小春ちゃんの隣に転んだ。



視界に広がる空がとても青かった。

アタシには青すぎた…。


青空は自分の心の曇りがよく分かるから、少し悲しくなった。




「俺、きょう告白するから」

突然そんなことを告げられた。

そっか、と返事をしたものの頭の中はだいぶ混乱してた。
小春ちゃんがアタシ以外の人を好きになったことを、素直に応援できないアタシがいた。


小春ちゃんは野田くんと付き合うんだ。
これでアタシの仕事は終わったんだ。
あの写真も消してくれる。
アタシは小春ちゃんを守ることができたかもしれない。


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