小春日和
放課後にアタシは野田くんが小春ちゃんを呼び出した屋上に向かった。
少し開いていた扉の隙間から屋上を覗くともうそこには小春ちゃんと野田くんがいた。
胸の奥がキュッとした。
「俺、小春先輩のこと好きです」
また目に滲む涙に唇を噛んだ。
「私も、好き」
小春ちゃんがそう答えることなんて分かってたのに…その言葉で涙が零れた。
アタシは階段を降りて誰もいない場所を探した。
たどり着いたのは、誰もいない図書室。
扉を閉めて、アタシは部屋の隅で泣いた。
何かが壊れてしまったみたいに涙が止まらない。
小春ちゃんもこんな気持ちだったのかな?
小春ちゃんがアタシに好きだと言ってくれた図書室。
あの日アタシがあなたから逃げたあと小春ちゃんもこんなふうに泣いてたの?
ねぇ小春ちゃん。
あなたは今幸せですか?
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