致命的フェティシズム【BL】
 
「──30点以下のヤツは追試だからな」


 七月半ば。

 期末テストの答案を持って教室に入れば、クラス中からの一斉ブーイングを喰らった。


 追試が嫌なら真面目に勉強しろってんだ。


「秋山先生ー!」


 手を挙げて俺を呼ぶ生徒に、軽く返事を返す。


「30点以下って30点も入るんですかー?」

「当たり前だ」


 高校2年にもなってそういう質問をするのか!?


 口々に文句を言う生徒達をほぼ無視して、俺は茶封筒から期末テストの答案用紙を取り出した。


「今回の平均点は49点だ。8クラス中、8組が最低の点数だ……。頼むから、もう少し化学に興味持ってくれよ」


 俺の懇願空しく、再びブーイングの嵐。


 俺の教え方が悪いんだろうか。

 そんな風に思ってしまうじゃないか!


 教職に就いて、5年。

 この学校にやって来て、2年。

 担任は持っていないが、2学年では8クラス中、4クラスの化学の授業を担当している。


 そこそこ順風満帆な教師生活を送っている俺ではあるが、最近、一つの悩みを抱えている。
 
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