致命的フェティシズム【BL】
 
 このクマに心を奪われてからと言うもの、携帯の待受は勿論、データボックスには自宅で撮ったぬいぐるみ写真が山ほど入っている。

 そして、どんなに忙しくても休み時間の度に準備室に戻って来て、携帯のクマを見詰めるのが俺の習慣と化していた。


 誰にも言えない、秘密のひと時。

 不思議なくらい、癒される。


 キモイとか言われるのは、既に承知の上だ。

 だからこうやって、誰もいない準備室に籠もって居るんだ。


 パタン、と携帯を閉じて鞄にしまい、次の授業の準備をする。

 四時限を知らせるチャイムが鳴るまで後数分。

 一年の教室は準備室から近い為、予鈴が鳴ってからここを出るのでも充分間に合う。


 朝から机の上に置きっぱなしの、飲みかけのコーヒーを手に取るのと同時に、準備室の扉が開けられた。
 
< 8 / 29 >

この作品をシェア

pagetop