夜空に恋するわたしたち ~素直になれたら~
私が…実聡の胸ぐらを掴んで、全部の力を込めて壁に押さえつけた。



「……ムカつくんだよ。 夢だ? 自分の為の勉強だ? そういうのがウザいって言ってんだよッ!!!」




最初は小さかった声が感情が高ぶっていくのにつられて大きな怒鳴り声になった。




「自分の為だとか 将来の夢だとか… んなくだらねぇこと言ってんじゃねぇよッ!」



「くだらなくなんかないッ! 大切な夢だよッ! 響華だって小さい頃は夢持ってたじゃんッ! なんで そんなこと言えるのッ!?」




――ッ!!!



驚いた…。


さっきまで完全に私にビビって涙目だった実聡がこんなに自分の夢を守るなんて…





そして、私の脳裏に流れたの あの頃の“夢”……









「…とにかく、もうウチらには関わんな…。」




私は怒鳴り声ではなく、実聡に聞こえる程度の声でそう言って、 スルッと実聡を離して教室を出てった。



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