゚。*゚甘い魔法にかけられて゚*。゚
付いていった店内は、まるでお菓子の国のような…可愛らしいところだった。
テイクアウトだけじゃなくて、ここでも食べれるらしく…数人のお客さんが円い木製のテーブルに座ってお茶していた。
私…あんまりこういうところ来たことないんだよなぁ。
キョロキョロと店内を見渡してると、
「ここ座れよ。」
「あ、はい。」
お店の端っこの席に先に座った高原先輩が自分の前のイスを指差した。
私はぎこちない様子でそこに座った。
可愛いお店だなぁ…ホントに物語の中に入っちゃったみたい。
「杏。」
「・・・・」
「おい杏。」
「え、あ…はい?」
慣れない名前で呼ばれて、なかなか反応できない。
でも…何故か高原先輩に名前で呼ばれても違和感がない。
高原先輩が“杏”って口にすると、自分の名前が少し可愛く感じる。
実際は可愛くない私だけど。
「お前、甘いもん苦手か?」
「甘過ぎるものはちょっと…」
「じゃあ、大丈夫か。」
「え?」
「ここの、甘過ぎないから。」
先輩はそう言いながら、イスにもたれながら腕組みをした。
その時の先輩の表情は、ちょっと自慢げで嬉しそうだった。