僕の上司は彼女です。

いわゆる“勝ち組”と言われる人しか乗れないだろうその車。


庶民には手の届かない、その左ハンドルの超高級車から颯爽と降りてきたのは……お色気満点なチカだった。


さっきまでいつも通りの黒のスーツだったのに、今俺の目の前に止まった車から降りてきたチカは………まるで別人。


白いスーツに着替えたチカのスカートは短めでスリットは入ってるし、ストッキングもダイヤ柄の黒だし、ブラウスも胸元が少し開いていてチラチラと気になる感じだ。


「あら、島崎…面白い顔ね。

そんなに鼻の下伸ばして謝るつもり??

……てゆうか、口閉じなさいよ。ヨダレでてるわよ…」


「…あ、すんません…」


慌てて拭って、開きっ放しの口を無理矢理閉じると聞こえてきた「乗って!」の言葉に促され助手席に滑り込んだ。
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