僕の上司は彼女です。
…なんて、わけの分からないこじつけで自分を納得させて迎えた今日の入社式。
真新し…くはないスーツに身を包み、キュッとネクタイを締め、今日から我が社と呼べる…
(株)UP&C.company
へやってきた。
この前面接に来た時は、あれよあれよ…と進められ流されるままに辿着いたも同然で、会社をこうして見るのは今が初めてだ。
う~…ん。さすがは有名建築家の会社。
おしゃれ…と言うか、芸術的な建物だ。
5階建ての会社を仰ぎ見ると、意を決して中へ入った。
1階のロビーには俺と同じような格好をした新入社員らしき人が4人ほどいた。
「新入社員の方ですか?
係りの者がくるまでこちらでお待ちください」