僕の上司は彼女です。
不意に聞こえてきた声のする方を見ると、この前きた時はいなかった可愛らしい受付嬢が天使の微笑みをなげかけてくれていた。
あぁ…この会社に入って良かったかも―――……
…なんて思ったのも束の間、今し方閉まった入口のドアが開くと同時に可愛い受付嬢は瞬時に席から立ち上がり
「おはようございます」
と深々と頭を下げて挨拶をした。
「おはよ~」
って返しながら、入って来た人は緩やかなカーブを描きながら上まで続いてる階段をヒールをカツカツいわせて上って行った。
きっと…その人に見とれたのは俺だけじゃないはずだ。
この場にいた新入社員はみんな、階段を上る彼女に釘付けだった。
顔は見えなかったけど、後ろ姿だけでも十分美人だ。