紫の音色♪
第一章
初めての・・・
「あ、奈美と同じクラスや」
クラス表を見上げながら、隣の池村佳代は言う。
佳代の喋り方にまたため息をついた。
「・・・・ねぇ佳代?アンタ都会っ子でしょ?関西弁ばっか使ってないの」
佳代の頭を軽く叩くのは私、内田奈美。
ごく普通の・・・平凡女子高生。
恋愛未経験超純粋女。
純粋なのはいいことだってずっと思ってたけど・・・
この佳代、いつの日か私に言ったっけ。
『恋愛未経験だなんて腐ってる!枯れてる!誰かこの子にじょうろで水をあげてちょうだい!!』
・・・・ってね?
かなり失礼だと思う。
腐ってるとか・・・枯れてるとか。
なぁんて思ってると、佳代は口を開いた。
「は!?私ホントは関西に生まれたかったんだからしょうがないじゃん!」
「理由になってないし!」
なんなのこの子は。
いつになく頭狂ってる・・・・かわいそうだ。
「ってのはどうでもよくて!私たち同じクラスなわけよ!!」
私の両手をがっしり握り、目を輝かせながら言う。
そういえば・・・佳代そんなこと言ってたっけ。
ふと佳代の言葉を思い返し、クラス表に目を向けた。
「あ、ホントだ!1年から佳代と同じなんて奇跡じゃん!」