蒲公英
Gegenwart Ⅱ

それからすぐに6人で飲む機会があった。
場所はいつものバーだ。

週末は毎週のようにここに来ている。

別に決まり事ではないが、土曜の夜には必ずと言っていいほど誰かしらここにいるので、予定がなければ足は自然とこちらに向いた。

誰かが集合をかけない限り全員そろうことはそんなにないのに、この日はたまたまみんな暇だったようだ。






いつも話が絶えないメンバーなのに、今日はなんだか空気がおかしかった。






原因は大樹とあかりだ。

つきあっていようが別れた直後であろうがいつもふたりでじゃれあっているはずの彼らが視線すら合わせようとしない。

ムードメーカーのふたりが仏頂面で口を閉ざせば、場の空気が沈むのは当然だろう。
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