先輩に一直線。
「陸上部においでよ。」

先輩に見とれていると、前から声がした。

「陸上部はいいよ。みんないい人ばっかりだし、自分の好きな種目に専念できる。
しかも、弥生中でただ一つ、強化合宿があるんだ。それがまた、楽しいんだよ。」

少し、先輩の横顔が見えた。
うわぁ、眩しい・・・。鼻筋がスッと通っていて、切れ長の目、ちょうどよく焼けた肌。
無駄の無い体。少し茶色がかったサラサラの髪。
走っている間も、ドキドキしてしまって疲れる暇もなかった。

まさに、『美男子』という風貌だった。

「ハイ。行きますよ、陸上部。」
悠里が少しにやっとして言った。

「そっか。よかった。」
先輩は後ろを振り向いてにこっと笑った。



あああ・・・。
なんて眩しい笑顔・・・。
翔太みたいな、くしゃっと笑った無邪気な笑顔とは違う、大人の色気が漂う上品な笑顔だった。
顔が、ぽーーっと赤くなっていくのがわかった。

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