紙ヒコ―キ



それから少しして、あたし達は、駅まで向かった。





…1時間くらい電車に揺られて、あたし達は降りた。





駅から出て、あたしは地図通りに進む。





葵はあたしの隣に並んで、歩幅を合わせて歩いてくれてる。





…どうしてだろう。今はすんなりと、“葵”って呼べるよ。





今からどこに行くか分からないのに、黙ってついてきてる葵。





あたしの事、信用してるって、ちょっと自惚れてもいいのかな。





それなら頑張らなきゃ、と地図をじっくり見る。





間違えたら戻れなくなりそうだし、怒られそう。





それは嫌だ。絶対に行きたい場所なんだから。





< 194 / 275 >

この作品をシェア

pagetop