紙ヒコ―キ
それから少しして、あたし達は、駅まで向かった。
…1時間くらい電車に揺られて、あたし達は降りた。
駅から出て、あたしは地図通りに進む。
葵はあたしの隣に並んで、歩幅を合わせて歩いてくれてる。
…どうしてだろう。今はすんなりと、“葵”って呼べるよ。
今からどこに行くか分からないのに、黙ってついてきてる葵。
あたしの事、信用してるって、ちょっと自惚れてもいいのかな。
それなら頑張らなきゃ、と地図をじっくり見る。
間違えたら戻れなくなりそうだし、怒られそう。
それは嫌だ。絶対に行きたい場所なんだから。