紙ヒコ―キ
地図通りに進むけど、山奥にどんどん入って行ってる気がする。
…道、間違えちゃったかな。
1人で心の中で不安になっていると、葵が立ち止まった。
あたしもつられて立ち止まる。
「…地図。」
葵にそう言われて、あたしは黙って紙を渡す。
貰った紙をじっと見ている葵を、あたしは見つめる。
「……間違ってないな。」
ふと葵がそう呟いて、あたしは心底ホッとした。
「これ、俺が持ってていいか?」
そう聞かれて、あたしは頷いた。
…きっと、葵の方が頭良いはずだから、心配ない。
歩き出した葵の後に続いて、あたしも歩いた。