紙ヒコ―キ


――それから10分後。





ようやく目的地に、着いた。





「ここ……」





葵は目を丸くして、言葉を失っている。





「行こう。」





あたしは立ち止まった葵の手を引いて、名前をさがす。





その名前は、すぐに見つかった。あたしは立ち止まる。





鞄からお花を取り出して、あたしはそえた。





……ここは、亡くなった葵の彼女のお墓。





女の人のお願い、というのは。





“葵と娘のお墓に行ってほしい”って事。




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