空き瓶ロマンス
 


当事者となってしまったチャーキーは口を出せなくなり、

後から駆け付けた私が、事情を聞いて仲裁に入った。

「とりあえず今は、あの猫助ける事が先でしょ。

ちょっと私、上行くから」

「待って、先生呼んでくるから、まだ行かないで!」
 
そう止められはしたが、

顔を歪めて上を見上げる部員達達の姿は、

とても見られたものではなかった。

猫が動く度に悲鳴を上げ、

言葉が通じる相手ではないと忘れてしまったかのように、

「動かないで!」と叫んでいる。



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