空き瓶ロマンス
「でもやっぱり、行くよ。
この中であそこ上った事あるの、私くらいだし」
反対を全部無視して、階段を駆け上がった。
部室は、ステージを挟むように二ヶ所ある屋根裏のスペースの、片方だった。
屋根裏には、足場に続いている梯子がある。
私はその古い梯子を登りながら、一年生だった時に、
先輩の後を恐る恐る付いて行ったのを思い出した。
出窓のような木の枠から、
真っ直ぐに伸びているスペース。
もちろん手摺なんて気の利いたものは無くて、
バランスを取りながら四つん這いで、
ゆっくりと前に進むしかない。