空き瓶ロマンス



信也が何事だろう、と体育館を覗いた時、

少し離れた舞台の上では、妙な人だかりが出来ていた。

皆、上を見上げている。

「靴なんていいです、早くして!」
 
スニーカーに指をかけた時、

半ば怒鳴るように言われてしまった。
 
教師として、土足で他校の体育館に踏み込むのには抵抗があったが、

相手が「いい」と言ったので、

そのまま駆け上がった。


< 661 / 891 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop