空き瓶ロマンス



顔が、火に襲われたように熱い。

きっと、真っ赤だったに違いない。
 
だけど私は、気が付いたら信也さんの顔を、



思い切り引っぱたいていた。
 
――ぱぁんっ!
 
途端に、騒然となった。
 
信也さんは、驚いたように目を見開いて、

多分誰もがそうするように、はたかれた頬を手で触れていた。

「こっ……公衆の、面前でっ……!」
 

私は、何だか自分でも良く分からない事を口走っていた。




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