空き瓶ロマンス
私は屋根裏の階段を駆け上がり、
更衣ボックスの扉を強引に開けて、ばたりと閉じ籠った。
薄暗く、狭いスペースの中で、ようやくへたり込む。
それでも、気持ちは治まりそうになかった。
この数日間……不安でしょうがなくて、
話したい事はいっぱいあったのに、メールもくれなくて。
だけど、父とはもう引っ込みが付かないほどの喧嘩をしてて、
兄ともうまくいかなくて、
疲れ切ってほとんど諦めていたところに、
いきなり現われて。
(これは、一体何なんだよ……)