空き瓶ロマンス



「……さっき、買ってきたんだ。すこし早いけど、クリスマスプレゼント」
 

私はハンカチを顔から放して、渡された紙の包みを開いた。
 

中に入っていたのは、薔薇の花を模した髪飾りだった。


こっくりと赤黒い、花弁の集合体。
 

大振りの花だが、パチンと留められるタイプのものだったので、扱いは簡単そうだ。


迷っていると、みちるがさっと手に取り、私の髪にすいっと滑らせた。


耳の横で、パッチンと音がした。


「似合うよ」
 

おもむろに手鏡を取り出して、おそるおそる覗き込んでみる。
 

鏡の中には、惨めに泣き腫らした顔の横に、薔薇の髪飾りがふわりと輝いていた。


雫のラインストーンが、ちらちらと光る。


「……ありがとう」
 

弱弱しく笑うと、みちるは困ったように微笑みながら、


「元気だして……」
 

ぽつりと言った。
 

そんなふうに優しい事を言われたら、また泣いてしまう。


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