空き瓶ロマンス
 


ふと、友人は「あ、ごめん」と断って、ポケットから携帯電話を取り出し、画面をかちりと開いた。


ライトがチカチカ光っている。


メールでも届いたのだろう。


彼女の顔は、晴れやかだった。


何か、いい知らせがあったに違いない。



んー、つらい。
 

しみじみ思っていると、後ろから声がかかった。


「倫子ー! 今日の放課後、部室集合だって。


冬休みの部活の日、決めるらしいよ」
 

演劇部の子だった。
 

私は「はーあーい」と間の抜けた返事をして、鞄の中で電源を切りっぱなしの携帯電話の事を思った。




今頃、どれだけメールが溜まっているだろうか。


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