年下の王様
【斗和】



陽菜が不安がってるのは知ってる。



それはたぶんエミリーとバイトのこと。



日曜日、陽菜の家を早く出たのはエミリーじゃなくバイトがあるから。



そんな俺は今日もバイトに励む。



「いらっしゃいませ~」

「あの…彼にプレゼント探してるんです…。でもどんなのがいいかわからなくて…」

「ネックレスですか?それとも指輪とか?」



毎日純粋に働いてる。



母ちゃんのコネを使わせてもらったけど…。



ファッションビルの中にあるショップ。



シルバーアクセサリーを販売中。



「石とか好きならこの辺とか?石ナシなら人気あるのはこの辺りですかね~」

「お兄さんが着けてるのはもうナイんですよね?」

「こっちは売ってないけどコレならここです」

「カッコイイです、コレ」

「決めちゃいますか」

「でも~…。決めちゃいます!!」

「ありがとうございます!!」



働くって疲れる。



だけど売れると楽しい…。



< 157 / 549 >

この作品をシェア

pagetop