年下の王様
動かない斗和を抱きしめたまま数分、言わなきゃいけないことを伝えようと思う。



「アメリカに英語の勉強しに行くことにしたの」

「…………」

「たいした仕事じゃないんだけど、あっちの学校に日本を伝えることもできるし」

「父ちゃんが…そうしたのかよ…」

「違うよ、あたしが無理にお願いしたの」

「ムリだろ!!なんもできねぇくせに!!知らねぇ土地行って迷子になるだけだろ!!」



痛いくらい強く掴まれた腕。



涙が溜まった目であたしを見る斗和…。



ごめん、ごめんね?



「ひとりで行くなよ…。行くなら俺も連れてけよ!!」

「斗和にはお店があるでしょ!!受験だって控えてるのに!!」

「別れんの?なぁ、もう俺いらねぇの?」



今日は初めての斗和ばっかり…。



駄々っ子みたいだよ。



こんなに必死になる人じゃなかったのに…。



「そんなにあたしが好き?」

「わかってること聞くなっ…。必死すぎて…マジ恥ずかしい…」



すごく、すごく、愛おしい…。



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