年下の王様
【斗和】



俺は犬じゃねぇ。



年頃のオスを動物に例えるなら狼とかライオンだと思う。



だからいつまでも『待て』なんてできねぇわけ。



3ヵ月お預けくらったあげく、殴る女ってどうよ?



もう知らねぇ。



アイツ、知らねぇ。



「兄ちゃ~ん…。あちゅい~…」

「猛暑だからな…」

「プールしてプール!!兄ちゃんも一緒にやろ?」



庭にプールを出せと言う遊吾…。



なにもする気が起きない…。



しかも去年空気入れが壊れたから口で膨らませと言っているらしい…。



「海でも行きてぇなぁ~…」

「プールして~!!」



結局学年で1位になれなかった俺はご褒美の別荘もなし…。



退屈な夏休み…。



「よし、プール行くか!!」

「プール~!!」



遊吾と一緒に向かったプールは家族連れで賑わってた。



チビの遊吾と手を繋ぎ、チビ用プールへ。



「ユーゴ、泳げない」

「お前くらいで泳げたらすげぇよ…」

「お水気持ちいいね~!!」



水着のネエチャン見てる方が気持ちいいけどな。



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