家族ごっこ~want to become real from a fake~
三人でテーブルを囲む。
前までは当たり前だったこの光景が、今では夢のようで、この夢が覚めてしまったら、またユウと二人で寂しく毎日を過ごすのかと思うとご飯が喉を通らない。
そんな私の気持ちなど知らんぷりの彼は
「懐かしい味だな。やっぱり美味いな。」
なんて呑気に肉を口に運んでいた。
ユウも本当に嬉しそうで、やっぱり家族ってこうでないといけないんだって思った。
一度、家族として手を取り合った人達は簡単に手を離してはいけないのだと、今やっと気付いた。
今となっては「今更」としか言いようがないが、私は後悔で胸が張り裂けそうだった。