夢の彼方
「やあ、来てくれたね!」


撮影所に戻ったわたしを、スティーブン監督が満面の笑みで迎えてくれた。


白髪に近い金髪で、てっぺんの方が少々淋しくなり髭を蓄えているせいか、遠目に見た時はもっと老けた印象だったのだが

こうして近くで見ると、ルークと同級生というのにも納得だった。


人懐こい笑顔が印象的な人だった。


「悪いね、こんな時間に呼び出してしまって。お子さんたちは?」


「あの、ルーク―――社長が、先にホテルの方へ連れて行って、食事をご馳走してくださると―――」


「なるほど、ルークらしい。それではさっさと撮影を始めようか」


そう言うと、スティーブンは手に持っていた台本をわたしに差し出した。


「あの役ね、本当はあそこで出番は終わりだったんだけど―――今回の撮りを全部終えて見てどうにもしっくりこないとこ

ろがあって。それで、もう一度君に出てもらったらどうかと思ったんだ。セリフは簡単だから、すぐに終わると思うよ」


「あの、でも、わたし英語はあまり―――」


そう言ってから気付いたけれど。


スティーブンもずいぶん日本語がうまいんだ・・・・・。

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