夢の彼方
『やあ、また会えてうれしいよ、優奈』


にっこりと人懐こい笑顔で迎えてくれたのは、最初の日、それから2度目の撮影でも医師役でわたしの相手をしてくれたリ

アン・バークレーという俳優だった。


リアンは大柄で一見強面だけど、とても明るくて現場ではムードメーカーの1人だった。


頭も良く、少しなら日本語がわかると言っていた。


英語を話すときもとてもわかりやすく、ゆっくりと話してくれる優しい人だった。


「優奈、今日はずっといてもらうからね、みんなに君たちを紹介するよ」


そう言ってスティーブンがわたしたちを手招きした。


わたしと同じように緊張している子供たちを促し、スタジオの片隅に集まっていた俳優たちの前に出た。


『今回、島田ゆき役をやってもらうことになった優奈だ。そしてその子供役をやってもらう里菜、紗菜、瑠加だ。一昨日日

本から来たばかりだそうだ。みんな、いろいろ教えてやってくれよ!』


スティーブンの言葉にそれぞれ声を出したり、手を振って応じる。


『優奈、よろしくね。わたしアニーよ』


最初に話しかけてくれたのは赤毛で白い肌にそばかすが愛らしい女の子だった。


『優奈っていくつ?とても子供が3人いるようには見えないんだけど』


実は、スティーブンが気を利かせてくれて撮影時だけだが通訳のスタッフをつけてくれたのだ。


まるで影武者のようにわたしの後ろにつき、通訳してくれるのだ。


おかげで、思いの他俳優さんたちとのコミュニケーションはスムーズに行うことができた。
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