夢の彼方
「じゃあ、本格的な撮影が始まるまで―――俺が家庭教師をやろうか」


「え―――レジーが?」


嬉しいけれど。


迷惑じゃないのかな。


「でも、レジー、忙しいのに―――」


「俺は基本、優奈のマネージャー兼教育係を任せられてるから。優奈のためにしてることならルークもっ文句は言わないよ




マネージャー兼教育係・・・。


そうだったんだ。


なんとなく、がっかりしたような。


でも、レジーがいつも一緒にいてくれることが嬉しいような。


何となく妙な気分だった・・・・・。


ようやく初めてのドラマ出演が終わるころ。


ようやく住む家が決まったとルークが連絡があり、わたしたちはホテルからその家へ引っ越すことに―――


その家というのが。


なんとルークの家とレジーの家の間にある家だと言うから、驚きだった。


「もともと、その家がいいと思ってたんだ。去年建て替えたばかりで新しかったし、子供がいたから子供部屋や庭も広くて

きれいだ。なのにそこの主人の仕事の都合で今年から海外勤務が決まって、家を手放すことになってた。それでそこの主人

と奥さんに交渉してね―――本当はすでに他の家族が引っ越してくることになってたらしいんだけど、その家族には別の物

件を紹介して―――ようやく昨日、リフォームも済んだってわけだ」


ルークの嬉しそうな顔に、わたしは目の前のきれいな家を見上げ、呆気に取られていた。
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