禁断の恋
「俺が司を突き落としたんだろ??」
「・・・・・・」
なかなか口を開かない。
閉ざしたままの口。
「時は止まってくれない。」
「え?」
「悩んでる時間がもったいねぇよ」
芹那の母親が言っていた。
『後悔してからじゃ遅いのよ。時間はどんどん進んでゆく。今は今しかないの。悩んでる時間なんて無いのよ・・・』
「遊の言葉聞いて思ったんだ。俺がいなければこんなことになってなかったんだって。」
勝手にんなこと思ってんじゃねぇよ。
「亜美だって普通に恋愛してた。遊だって右手を失わずにはすんだはずだ。」
「んなこと言うなよ」
「姫香だって泣くことだってなかった。」
俺等みんなお前に
司に
逢えてよかったって
心から言える。
亜美も姫香も俺も。
「んなこと亜美ちゃんが知ったらどうすんだよ。お前がいなきゃ生きていけないんだぞ?」
「・・・もっといい奴がいる、何千と、何万と・・・」
「お前っ」
「亜美はまだまだいろんな世界を見なきゃいけない。俺よりもっといい男に出会える。」
「お前亜美ちゃんが好きなんだろ?!」
「好きだ。誰よりも。アイツいねぇだけで調子狂うくらいに」
「じゃぁなんで・・・」
「俺、将来。亜美の親父の会社継ごうと思ってる」
会社を継ぐ?
あの大規模な大きい会社をか??
「だから、留学だって考えてる。」