私の愛した先生。【完】






だって




『別れようかと思ってるんだ』




そんなことを言うんだもん。


てっきり先生は彼女とうまくいってなくて仲直りしたいんだと思ってたのに


もしかしてうまくいってないのはそのせいなのかな?


考えれば考えるほど理由が気になって


聞いてはいけないとわかっているのに私の口は勝手に動いた。




「どうして…ですか…?」




その言葉に先生は一瞬だけまた悲しそうな顔をして




「俺の気持ちの問題だ」




それしか私には教えてくれなかった。


それがどういう意味なのか私にはわからない。


ただなんとなく先生の気持ちは今は彼女ではなく


別の人に向けられている気がして私の心はズキッとした。








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