王様とアタシの絶対恋愛制度
「あのー…
広間はまだですか?」
歩いても歩いても歩いても歩いても歩いても……
執事は足を止めようとしないし
それらしいところにも着かない
「もうすぐですよ」
どんだけ広いのよこの屋敷…
憂鬱なことが1つ終われば
また憂鬱なことが起こる
この城に来てからはいろいろと終わりが見えないことばかりだな…
長い長い1日
長い長い廊下
先の見えない未来…
はぁ…
ため息をつきつつ
見えないゴールに向かってひたすら足を動かす
ふと後ろから何か物音が聞こえた
すーーー…
何の音?
ゆっくり後ろを振り返ろうとしたとき
「なーぎさー!」
あたしの横を風と共に何かが通り過ぎた
はぃぃ!?
あたしは後ろへ向こうとしていた首を高速で向きなおす
「何で歩いてんの?」
はぁ?
そこにいたのは何やら不思議な乗り物に乗って
こちらを見ている王様の姿
いやいや…
「逆にあんたは何乗ってんの?」