紙ヒコーキ~君に届け
美幸はまだ分かっていないか
「本当は話し合えば済むことなんだ」
「あ、うん」
「理解しようとしないから喧嘩になる、そうじゃね?」
美幸はようやく分かったのか、真剣な顔になった。
「伝えるって…必要なことじゃん?」
俺はもう一度、美幸に微笑んだ
「そう…だね。わかった気がするよ」
それは何よりで
やっと、美幸にも元気が戻ってきた。
「今日はもう遅刻だし行き辛いね…」
「んじゃサボるか?」
「え?さぼるって?」
立ち上がり美幸に向かって親指を立てる
「ゲーセン!」
美幸の顔がパァっと明るくなり、すぐさま立ち上がった。
「行く!てか早く行こ!」
ったく
馬鹿な奴だな
俺はそう思いながら
「はいはい」とだけ言い美幸の後を追った。