line
第2話 一人ぼっち



夏休みを目前にしての今日は休日。
学校も無い日だから遅めに起床した。


『おはよー…、っていないし』


部屋のドアを開けると、目の前のリビングには誰もいなかった。
その代わり、テーブルの上に一枚の紙切れが残されていた。


『俺は友達と遊びで、楓は夜まで塾に行って来る。夕飯は適当に食ってくるから、じゃーな。灰希&楓』


って事は、今日の夜は一人ぼっちって事か。
楓が朝から塾行くとか前は無かったのに、やっぱり受験を控えてるからかな。


『ま、いっか今日は美奈と遊ぶし』


紙をテーブルに置き戻して遊びの支度をし始めた。

そういえば、家で一人になるとか初めてかも…。




「ふーん、じゃあ今日は一人なんだ」

『そうなの。二人とも遅くなるみたいでさ』


ショッピングモールの中にある喫茶店で、美奈に今日の夜の事を話した。
少し飲んでからカップを受け皿に置いた。


「楓先輩はもう受験生だもんね。それに比べて灰希ときたら、少しは楓先輩を見習えっての!」

『確かに、それは言えてるね』


呆れ顔で言う美奈を見て笑った。



< 12 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop