幸せのQuintet
そういえば今まで大貴くんにはよく抱きしめられたけど
正面から抱きしめられたのは初めてだ…
そう思うと
かぁぁっと私の顔が赤くなるのがわかった。
「れみっち。…好きな人とかいる?」
「ほぇっ!?」
予想外の質問に体がいつも異常に反応した。
す、好きな人……
大貴くんは至近距離でじっと顔を見つめてくる。
「……いないよ」
私は恥ずかしくて目を逸らして言った。
今の私には好きな人なんて思いつかなかった。