チョコレート大作戦【短編】


いつ、渡せばいいんだろう。



学校を出てからずっと後ろに抱えているチョコレート。



タイミングが掴めなくて、なかなか渡せない。



でも、渡さなきゃ。



「聡志、これ………」



言い終わらないうちに手からチョコレートの重みが消える。



え?



疑問に思ったときにはもう遅く、前方にチョコをくわえた犬の後ろ姿が見えた。



な、何で~~~?!



昨日、一日かけて作った私のチョコが。



「わ、わんちゃん待って」



「未乃里あぶなっ……」



追いかけようと走り出した私に聡志が止めに入ったけどもう遅くって、前のめりに転んでしまった。



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